本日は、光毒性についてご質問をいただきましたので回答させていただきます。
《光毒性とは？》
肌についた、エッセンシャルオイルなどに含まれる成分が紫外線に反応し、皮膚にダメージを与え、肌荒れなどを引き起こす現象です。湿疹が出たり、シミができやすくなったりもします。
主に光毒性のあるベルガプテンという成分が含まれているエッセンシャルオイルは、下記のようなものがあります。
・ベルガモット(アールグレイティーの香り付けに使用されていることで有名)
・グレープフルーツ
・レモン
・ライム
↑日本ではなかなかお目にかかることは少ないですが、こちらがベルガモットです。
これらの精油の製造方法が、果皮圧搾法と呼ばれる方法で、果実を丸ごと絞って抽出する方法なのですが、この方法でエッセンシャルオイルを抽出する場合、ご想像の通り、皮も白いホロの部分などのカスが入ってしまいます。
実は光毒性を引き起こす成分は、主に皮や白いホロの部分にも含まれているため、この抽出方法だと光毒性が発生してしまうのです。
逆に柑橘類でもオレンジ・スイートやマンダリン・オレンジは、光毒性成分であるベルガプテンを含有していなかったというデータもあるので、同じ柑橘系でも、先ほどあげた3つのエッセンシャルオイルには注意が必要です。
《化粧品に配合されているものは平気なの？》
近年、オーガニックコスメの種類が豊富になり、選べるようになりましたね。
その中で、香り付けの役割としてエッセンシャルオイルが使用されているコスメも、少なくはありません。
しかし化粧品に配合されているものに関しては、光毒性が起きないようにされている原料を使用しているはずなので、大丈夫なのですが、もしもご自身で化粧品を手作りしよう！という場合には、気をつけなければなりません。
そのようなときには、「ベルガプテンフリー」「フロクマリンフリー」などと記載されたエッセンシャルオイルが販売されていますから、そちらを使用してくださいね。
ベルガプテンフリーやフロクマリンフリーという記載のあるエッセンシャルオイルの抽出方法は、果皮圧搾方ではなく、水蒸気蒸留法という記載になっているはずです。
実や皮を絞って抽出するのではなく、蒸留器で抽出すると皮やホロは含まれないためベルガプテン(フロクマリン)が抽出されないそうです。
《食品は大丈夫？》
例えば、朝レモンドリンクが流行っている時がありました。
レモンは肝臓を刺激し、エネルギーをつくる原料となる胆汁を出してくれる作用があるからです。しかし、このレモンドリンクをつくる時、皮のついたレモンをそのまま絞ってお湯やお水に果汁を入れていたと思います。
これこそ、エッセンシャルオイルほど濃度は濃くはありませんが、光感作の原因になりかねません。
昔、「グレープフルーツジュースやオレンジジュースを飲んでから日焼けサロンに行ってはいけない」といわれていましたし、実際に日焼けサロンにも注意書きとして貼られていたそうなのですが、理由は焼けすぎてシミなどができてしまうからなのだそうです。(オレンジジュースには光毒性を含む成分は入っていないと言われていますが、オレンジの種類によっては含まれている可能性もあります。)
つまり、口から摂取しても光感作は起きるということです。
そのため、レモンやグレープフルーツだけでなく、セロリやライムなどにも注意が必要です。
朝に柑橘系のアロマで芳香浴や、柑橘系を食べたり飲んだりしたいところですが、やめておいた方が無難かもしれませんね。
※ソラレンという物質が光毒性のある物質だと紹介されているサイトなども見かけますが、ソラレンはフロクマリンの一種です。
また、余談ですが、薬と一緒に飲んだり食べないようにした方がいい柑橘類も多いのです。
・グレープフルーツ
・ハッサク
・夏みかん
・ダイダイ
・サワーオレンジ
これらにはフラノクマリン類という成分が含まれており、薬との相互作用が報告されています。
薬が効かなくなってしまったり、副作用が出やすくなってしまったりしますから、注意が必要です。
ただ、同時に摂取しない方がいいというだけではないので、お薬を飲んでいる間は、食べない、飲まないようにした方が安全です。
《ルールを守れば安心です！》
エッセンシャルオイルもルールを守って使用すれば、安心ですし、薬の飲み方もルールを守ればきちんと作用してくれるはずです。
もしもわからないようであれば、使用上の注意をよく読んで使うか、販売員さんや薬剤師さんに使い方を教えてもらって、使ってみてくださいね。
素敵なご質問をありがとうございました！
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